このブログのタイトル「伝わる中国語」は、机上の学習ではなく、実際に意思疎通ができるような中国語を習得するにはどうしたらよいのか?という考えのもとにつけたものです。
人によってはハードルが高そうなイメージがある中国語ですが、伝わるというのはどういうことなのかを今一度考えてみようと思います。
中国語学習の何が難しいのか?
中国語を勉強しようかな?と思った時に、こんな風に思った人はかなり多いんじゃないでしょうか。
中国語はぱっと見でなんとなく意味がわかるから、英語や他の外国語に比べて簡単に覚えられるのでは?きっと楽勝でしょ〜
そうですね、中国語で漢字で書かれているものは日本人が見ればなんとなく意味がわかるものが多いです。実際に中国語の入門書を見ても「我是日本人」なんて書いてあったりして、文法も簡単だしこれならいけるんじゃ?と思いますよね。
そしてそれから簡単な挨拶や基本文法を覚えた後、発音練習の段階になって
なんじゃこりゃ、漢字と発音が全然一致しない!rìとかshi(2)とかなんかローマ字と違うし、そもそも発音を再現できない……っていうか四声ってなに?なんで音の高低で意味が変わるの?
となり、恐らくここで初学者の80%くらいの人は離脱しているのではないでしょうか。
そう、日本語話者にとって中国語は書き言葉と話し言葉のギャップが大きいのです。
筆談でも伝わればOK
このブログを読んでいる方は中国語に興味を持っていたり、実際に学習を始めている方だと思いますが、さて、あなたはなんのために中国語を勉強するのでしょうか。
「中国語の文章を読めるようになりたい」というのであれば、テキストによる独学で単語と文法を覚えていけば問題ありません。単語をある程度覚えていれば中華圏に旅行に行った時も筆談でなんとか伝わるでしょう。
中国語の読み書きは漢字なので、同じ漢字圏の日本人は非漢字圏の学習者に比べてかなり優位なスタートを切ることができます。
無理に高いレベルを目指さなくても、読み書きで最低限通じるということだけを目標にするのもアリでしょう。
挨拶や旅行会話ができるようになりたい
海外に行った時に、カタコトでも現地の言葉で挨拶をすると相手がニッコリしてくれることはよくありますね。逆に、日本に来た外国人が日本語で挨拶してくれたらちょっと嬉しくなったりしますよね。
その国の言葉を使った挨拶は現地の人に対して敬意を表す一番最初の交流方法です。相手が話す、自分が話す、相手がそれに応える、を繰り返していくのがコミュニケーションです。
文化が違う、言葉が通じない相手と意思疎通ができるという体験は楽しいものです。もっともっと相手と交流したいという気持ちの延長線が語学学習に結びつくことは少なくないでしょう。
私は2回目の台湾旅行に行ったときにあまりにも楽しかったので、
「次に行く時は一人で歩き回りたい」
「料理の名前に詳しくなりたい」
「現地に友達ができたらもっと楽しいだろうな」
という気持ちが中国語を学ぶきっかけとなりました。
そして中国語が全く話せない状態で短期留学に行き、1ヶ月過ぎたあたりでなんとなく挨拶や切符を買うくらいはできるようになりました。
クラスメイトを見ていると、少なくとも2ヶ月在学していると現地の友達を作るくらいは問題ないように見えました。
留学せずに日本で勉強してそのレベル(ネイティブと簡単な会話ができる)までいける人はかなりいい線いっていると思います。もしあなたがスクールを使わずに独学で旅行会話までできるようになったとしたら相当センスがいいと思いますよ!
どれくらいのレベルを目指すのか
中国語圏に行くにあたり、全く現地の言葉が話せないのになぜか友達が沢山いたり楽しく過ごせる人もいます。私の知り合いにも何人かいますが、コミュニケーション能力が高い人はどこの国に行っても困らないようです。つまり旅行会話レベルの語学能力がなくても安全に楽しく旅行ができるという目的が果たせればOKという人もいるわけです。
そういう人はいまさら中国語を勉強しようとは思わないかもしれませんが、正直それくらいのレベル+αが達成できればそれでよし、というのはアリだと思っています。何かするときのハードルは低い方が達成しやすいですから。
一方、何らかの事情でこれから中国語で生活したり仕事をする必要に迫られる人もいるかもしれません。そういう人は「中級レベル」や「ビジネス会話」といった目標を掲げて必死に中国語を勉強するわけですが、語学というのは他の科目の勉強と違って何かを暗記するとか一夜漬けでできるものではありません。
ペーパーテストならまだしも、生身の相手とのやりとりというのは基本の単語や発音を頭と耳と目と口にすり込んで、実際に使って相手の反応からフィードバックを得てという体験を無限に繰り返すことです。
留学や現地生活で生きた言葉を学ぶというのはなんとなく聞こえが良いです。ですが、海外に住んで言葉を覚えた人ならば、言葉の問題で恥ずかしい思いや悔しい思いをした経験は数え切れないほどあったはずです。
日本国内で勉強する場合でも、ある程度のレベルに達するまでは勉強時間や教材への金銭的投資は少なくないはずです。外国語は使わなくなるとすぐに忘れてしまうので、投資が無駄になったなあと嘆く人も多いでしょう。
私はそれを知っているので、安易に「中国語を勉強しようよ!」と呼びかけることはできません。
だけど何かをできるようになった時の段階、それは山登りに例えるならば「ここまできたから見える景色」「さらに高い場所に登ったから見える景色」「ここでしか食べられない食事」といったように、一歩一歩頑張った自分だけに与えられるご褒美のようなものです。
学習のモチベーションを失った時の対処法
学校の科目や資格取得というゴールもありますが、一般的に語学学習というのはどこまでやっても終わりがありません。なので「いつまで経ってもうまく話せない、このまま続ける意味はあるのか?」という風にモチベーションが落ちた時は「自分は中国語を使って何がしたいのか?どうなりたいのか?」というイメージを膨らませて、まずは手近なところにゴールを設けると良いです。
私は前述した台湾で一人旅ができるレベルにまでなりたいという目標を達成した後に、会社員時代にランチに通っていた台湾料理屋で出会ったおじさんを思い出しました。彼は台湾人の店員さんと中国語で会話して「それだけ話せるなら大したものよ!」と言われていました。
今の私はあのおじさんと同じくらい喋れるようになったかな?
当時は中国語は全く分からなかったので今となってはそのおじさんのレベルはわかりませんが、中国語を話せる非中国語圏の人は沢山いるわけです。彼らがどのように勉強したか、その方法は様々だと思いますが、それを知ること、そしてくじけそうになった時にどんな気持ちでいたかを想像するのも中国語を学ぶ上での一つのヒントとなるでしょう。
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